●笠松・濱口楠彦騎手、心筋梗塞により死去。

初めてインタビューでその姿を見たときは、本当にこの人は騎手なのかと思った。フランキー堺ばりの、ずんぐりむっくりとした、顔と風体。武豊に代表される細くスタイリッシュな騎手のイメージとは間逆だったが、しゃべる姿は愛嬌があってとても好感がもてた。いつも笑顔でインタビューに応え、引退してコメンテーターにでもなったら、テレビ映えして人気も出たのではないだろうか。同級生でしかも同じ誕生日(←Wikipediaを見て驚いた)の安藤勝己さんはどのような心境なのだろう。中学生時代から見習い騎手として、しのぎ会ってきた仲。今のところ、Twitterでのコメントはあがっていないが、心中察して余りある。

50歳を超えた近年でも笠松を代表する騎手の一人として、中央にも挑戦した名馬ラブミーチャンの主戦として活躍。笠松競馬は先日前代未聞の事故を起こし自粛中だが、10月25日まで普通に騎乗しており、今回のニュースには本当に驚いた。その後、笠松競馬が無事18日に再開することになったのも、なんだか皮肉。毎年、廃止論があがる競馬場ではあるが、その存続をいつまでもあの笑顔で見守っていてほしい。

おそらく、中央競馬で魅せた一番のパフォーマンス。アドマイヤディーノへの美しい風車ムチは、何度見ても鮮やか。合掌。





●マルセリーナ引退

ホエールキャプチャを本命、キャリア3戦ながら2番人気に推されたマルセリーナを完全消しで挑んだ桜花賞。安藤勝己の手綱に応え内から伸びた脚で、4着メデタシとの二頭軸の馬券が紙くずになったのが、この馬の一番の思い出だろう。あのときもしも、内が開かなければ・・・と、その後VTRを見るたびに悔やしがっていた。
今年のマーメイドSで、その桜花賞以来の勝ちを収め、あの時のリベンジをと、先日のエリザベス女王杯で狙ってみたが、見せ場なく敗れた。結局取り返すことはできなかったが、無事繁殖にあがれることによかったと思う。ディープにはじめてのG1をもたらした孝行馬として、後世にその血を伝えていってほしい。